「タマリンド食堂」

おはなし・写真/ 水野 暁子

始まりは「食と旅」

タマリンド食堂の永田かな子さんは東京都出身、飲食の仕事に携わって約25年になります。

食べることと旅が好きな永田さんは、10代の頃から飲食関係の仕事につき、20代の頃はお金を貯めてはバックパッカーとして世界中を旅してまわっていました。旅先ではマーケットや現地のお店でその土地ならではの食材やスパイスを調達し料理を作っていたそうです。旅先で出会った家族のキッチンで家庭料理をご馳走になったり、永田さんが料理を振る舞ったりすることもありました。旅を重ねるごとにそれぞれの土地での「美味しい」と出会い、料理人としての感性が磨かれ、知識も積み上げられていきました。



タマリンド食堂は、ケータリングカーやイベント出店での活動を経て、2017年6月に石垣市内にスパイスカレーのお店としてオープンしましたが、子どもがまだ幼く手がかかり、もう少し静かな場所に移転したいと思うようになったことがきっかけで、2018年の11月末にお店を閉めることになりました。それからはプライベートや結婚式などでの出張ケータリングサービスや、オフィスへのお弁当販売、カレーのレトルトパック製造などで料理を提供したり、畑の植物をつかい、「島コーラ」などの加工商品開発にも取り組んだりしています。また、現在、タマリンド食堂として活動できる新たな場所作りも行っています。

ケータリング(タマリンド食堂写真提供)



オフィスなどへのお弁当(タマリンド食堂写真提供)


カレーレトルトパック(タマリンド食堂写真提供)


タマリンド食堂のこだわり

「料理をする時に最も気を使っているのは、旬のもの、新鮮なものを使うということです。石垣島に暮らしてからは、島のものを使うようにしています。家族のため、友人のためなどに料理をするときは、その人の体調にあったものを作るように心がけています。例えば、胃が弱っている時にはニンニクなどの刺激物をさけて優しい味付けにしたり、寒さを感じている時は、体が温まるスパイスを使ったりしています」





畑からキッチンへ

キッチンのある製造所の窓から見える永田さんの畑には、何種類にも及ぶハーブが育っています。

今日は、ダール豆のカレーにターメリックライス、ローズマリーと島とうがらしの入ったキュウリのサラダを作ってくれました。カレーに使うカレーリーフやウコンも畑から調達してきたフレッシュなものばかり、もちろんキュウリのサラダに使うローズマリーも永田さんの畑からです。

シンプルな料理にこそ、新鮮な食材が活きてきます。

終始楽しげに料理をする永田さんのキッチンは、ハーブとスパイスのしあわせな香りで満たされていました。






嗅覚と旅の記憶

「私にとっての嗅覚は、1番影響力のある感覚だと思います。料理の香りで記憶の中の思い出の場所へと私を連れていってくれます。石垣島で私がしているのは旅の続きのようなことです」と笑顔で話す永田さん。



石垣島に移り住んで16年。これからも「美味しい」との出会いを求める旅はつづきます。