木製品のお手入れのおはなし その一。

おはなし・写真/吉田サバニ造船所

舟に塗るサメの肝油のこと

私達が造船するサバニは、沖縄では古来より防腐効果があるといわれるサメの肝油を船体に塗布していました。

サメを採る漁が盛んだった沖縄で、肝を煮出して作る肝油は風邪予防や傷に塗ったりと、民間療 法の薬として使われていました。

また、サメの肝油は船体に塗ると乾き、塗り重ねると塗膜になり船体を保護します。

適切にメンテナンスをしたサバニは、50年以上現役として海で活躍できます。

サバニに現代のニスやペンキなどを塗布すると、水を吸った船体が水を吐き出すことができず、 驚くほど速く船体が朽ちていきます。

サメの肝油は、表面をコーティングするのではなく、木材にしみこみ樹脂化するので木材が呼吸 をするかのように水を吸っては吐き出します。 その防水効果のため海で使うサバニは長持ちするのです。

私達は現在、観光ツアーで使うサバニにはサメの肝油を塗っていません。 それは、船体が魚臭くなり観光客のお客様に付着したりして嫌がられるからです。ここではそう言った理由から、木製品のメンテナンスにサメの肝油をお勧めすることはありませ ん。



サメの肝油に代わり同じ様な効果のある天然の乾性油を使い木製品を仕上げています。


木と油の相性の良さを知ってもらい、私たちの作る木製品を長く愛用していただけることを心より願っています。