石垣島の古民家ボタニカルショップ 

おはなし/ 笹本 真純 編集ファナアーシー

島の太陽を浴びて育った鮮やかな花や植物たち


石垣島の市街地から離れた、海や緑に囲まれた桃里(とうざと)地区にあるTROP(トロップ)。昔ながらの古民家のよさをそのままに、花や植物が並ぶボタニカルショップです。



島で育った色鮮やかな南国の花や、さまざまな土地から選んだ花や植物が飾られています。他にもワークショップ、ディスプレイや、ホテルやウェディング会場のデコレーションまで。花と植物のトータルコーディネートがかないます。




 農家さんが畑から直接持ってきてくれた、瑞々しい花をすぐその場でお束ねしお届けも。新鮮でいちばんきれいな状態でお客様へお届けしたいとのこと。



石垣島での生活にふれ、花を仕事に。父親の生まれ育った石垣島


トロップの桐子さんは、父親の故郷石垣島に子どもの頃からたびたび訪れていました。20年ほど前に石垣島に越してきました。九州の都市で育った桐子さんは、島の生活に触れ驚きました。当たり前のように庭先や自生する植物を食べたり、お茶にしたり。それをごく自然に実践している方が多いことにも。「植物との付き合い方が上手い」と尊敬し、自分もそうなりたいと思いました。 



2008年から他の仕事と並行しながら結婚式の装花や活け込みなど行い始めます。2019年には桃里でショップもオープン。 今では、ふらっと立ち寄る島の方や観光の方が訪れます。わざわざレンタカーを借りて、離島から訪ねてきてくれる方も。賑やかで忙しいけれど、トロップにはいつも穏やかな空気が流れています。

森や海辺、草原の自然美を表わしたい

 アレンジなどの造形で大切にしていることは自然美。例えば、森のなか。植物の背の高低や、その色彩に密度。手付かずの自然のなかでは生えるべきものが完璧なバランスでそこにあって、それを美しいと考えます。製作する時はいつも、その美しさを表現できるようにと心に留めています。そして、葉や茎、花弁ひとつひとつの状態を見極めて製作します。また、花や植物の鮮度を保ち、成長をも維持できることも考えたデザインし製作しているのだそうです。



子どもの頃の島での思い出が作品を生む




花だけでなく、独特のハーブも数多い石垣島。そんなハーブのひとつ、月桃をつかったスマッジスティックはトロップの人気商品のひとつです。スマッジとは、もともとネイティブアメリカンが、場の浄化のためにセージや香木を炊いたもの。桐子さんがつくったのは、その石垣島バージョン。ショウガ科の植物でスパイシーないい香りを持つ月桃。月桃は生活の香りのアクセントになります。お祖母さんから月桃でできたお守りを渡された島での思い出も。その意味合いを含めて製作しています。


花や植物を愛でることの豊かさ 


お客様の希望を取り入れ、製作をする日々。お気に入りを見つけて大事にお持ち帰りされる方、ご注文をお届けに上がり喜んで頂けた方。そういったお客様のお気持ちが嬉しく、毎日の活力に繋がるとのこと。それぞれに個性があり美しい配色、健気に、だけど力強く咲く1本1本の花。その姿を愛でて慈しみや豊かさを感じてほしいと願いを込めて。毎日生命と向き合っています。