風根カジニのおはなし

おはなし・土屋ともみ

編集写真ファナアーシー




吉田サバニ造船の船大工吉田さんより、一つ一つ丁寧に作られているオリジナルの木製品「風根」カジニのことと代表的な製品エークマドラーについて色々とおはなしをお伺いしてきました。


カジニ「風根」とは


風根とは、反薄明光線という光の現象で、朝日が昇る前や夕陽が沈んだ後に、上空高くまで発達した積乱雲の影が放射状に空に投影される現象で、昔から沖縄では、この光の現象を”カジニ”と言ったそうです。風が吹いてくる方向、嵐がある方向を意味しており、天気を予想する言葉でもあり、高く発達した積乱雲の下は嵐で雨が降っていて、この風根の光が目印になっている、そういう現象を示す言葉だそうです。


また、吉田さんは「風根が見えるときは、海の上でも風も吹かず、波もたたず、色鮮やかな美しい空が広がり、水平線の向こうには嵐がある。」とお話されており、”カジニ”という言葉を選んだのも、まさに毎日海や自然と向き合う吉田さんだったからこそこの言葉を選び名前にしたというのにも納得です。


木製品について





風根の木製品は一つ一つ時間をかけ、手になじみ、長く愛用していただけるように心を込めて作っているそうです。台風もある島で育つ木は、緻密で硬いものが多く美しい木目は、生命力を感じ、舟に使われる木材は海や風雨にさらされていても、磨いたり油を塗りメンテナンスをすることで何十年も使うことができるそうです。長く愛用することで自分の時の変化と共に、木製品も磨かれてゆく、そんな魅力を感じます。



エークマドラーについて



エークとは沖縄の伝統漁船サバニを漕ぐときに使われるオール(櫂)のことをエークと言うそうです。そのエークを小さくしたものがこのエークマドラーになります。マドラーとして飲み物をかき混ぜたり、バターナイフとして使うのもお勧めだそうです。また、白いマドラーは、チャーギと呼ばれるイヌマキという島の木で、サバニを組み上げる時に使う"かすがい"を作る木になるそうです。緻密で木目が美しく丈夫なことが特徴です。黒いマドラーは、マルバチシャノキという名前の木で、吉田さんの師匠の生まれた池間島ではザクギと呼ばれ、舟を漕ぐ道具を作る木という意味があるそうです。使えば使うほどに美しい艶が出るのがこのザグギの特徴になるそうです。


石垣島の海と風に触れる

風根「カジニ」の木製品は、手で触れるたびに美しい石垣島の海や風景を思い出し、吉田さんの想いまで製品から伝わる、そんな良さがあります。

ぜひ「風根」の製品を一度お手に取って実際に触れて頂き、石垣島の美しい木と海風を感じて頂けたらと思います。